
お知らせ
札医大、医師時間外未払いか 410人調査へ
札幌医大病院の医師の時間外や休日手当が適正に支払われていなかった疑いがあることから、同大が医師約四百十人を対象に勤務実態の内部調査を始めることが二十五日、分かった。時間外手当が勤務実態にかかわらず、予算額の範囲内でしか支給されていなかったことをうかがわせる内部文書の存在が明らかになったためで、札幌中央労働基準監督署も労働基準法違反の疑いがあるとみて調査を行う方針だ。
同病院病院課や同大企画管理部によると、調査の対象は、裁量労働制が適用されている教授などの教員約二百三十人と、裁量労働制適用外の診療医約百八十人。裁量労働制でも帰宅後の緊急呼び出しや休日出勤では手当が発生するという。調査の期間は同大が公立大学法人となった二〇〇七年四月以降。
問題の内部文書は、二月十二日付で病院課から各診療科に配布されたもので、「予算額を使い切った診療科は時間外手当等の請求はできません」と明記。これまでに各診療科が請求した月ごとの時間外手当額と、予算の残額を示す資料も併せて配布されていた。
同病院の説明によると、医師や看護師なども含めた時間外手当などで本年度は約七億円の予算を計上。各診療科では、代表者が所属医師の時間外手当などをまとめて請求し、予算額を超えた場合は、事務部門との協議で支払うことにしていたという。しかし、文書は請求時点で制限を加える内容だった。
同大企画管理部は問題の内部文書の存在を認め、「予算措置上、明らかに誤りがあった」と釈明。残業の実態については「医師たちの実際の勤務時間が把握できておらず、残業代の未払いがないとは言い切れない。各診療科への聞き取りなどを早急に進めたい」と話している。
札幌中央労働基準監督署は「個別案件についてはお答えできない」としながらも、「医師の過重労働は、患者への影響も大きい社会的問題と認識している。待遇に問題があれば、是正を求めたい」と話している。
病院勤務医については全国的に過重労働が問題となっており、残業代の未払いも昨年以降、全国の大学病院や自治体病院で相次いで発覚。広島大病院や島根大医学部付属病院などが労基法違反で労基署の是正勧告を受け、未払い総額が二億円近くになるケースも出ている。

