読売新聞<weekly読書 医療サービス市場の勝者>を読んで

 読売新聞は8月6日、論説委員の馬場錬成氏の、レジナ.E.ヘルツリンガー氏(ハーバード大学経営大学院教授)がアメリカの医療に関して著した「医療サービス市場の勝者」ついての書評を掲載しました。 その内容は<医療改革への著者の提言は徹底している。 製造業やサービス業を変革させた経営手法を導入せよとそのノウハウを伝授する。(中略)いま世の中で進んでいるIT(情報技術)革命の進展と決して無縁な話ではない。 急進変革する産業現場の風が医療現場にも吹いてきたということだろう。 日米の医療制度は違うが、医療改革の視点は、どこの国でも同じものだ。 日本でも大いに参考になるはずだ。>等とトンチンカンな言葉を並べていました。

 本来なら無視する記事なのですが、ちょいと気が変わって、はてさて文科系の妄想が現在どの程度のレベルにあるのか確認しておくのも一興だわいと思い、わざわざこの本を注文し購入、アメリカの文科系が考える医療改革と、それを賞賛する日本の文科系の頭の程度を覗いてみる事にしました。

 本書は、B6版400頁余に著者が考える「アメリカの」理想的な医療と現状との違い、理想へ近づく為に、医療機関、医療費支払人(医療保険会社の事)、医療サービス利用者(患者というよりは、医療保険加入者)が為すべき事をくどくどと述べ立てたものです。 同じ事を繰り返し述べるうるささは、本人の頭の悪さを示すもので、医学会なら座長から「少ない事実から、大胆な仮説の御発表有難うございます」と皮肉られる代物です(2500円損した!!、焼酎なら幾ら飲めただろう?)。

 医療機関に対しては「得意分野を絞り込め」が主張の中心です。 その他、「顧客を大切にすること」から、「自分とライバル双方の業績を評価せよ」までの陳腐な話が羅列されています。

 これら全てについて反論を出せるのですが、国民皆保険では無く、多数の民間のHMO、マネジドケア会社、医療保険会社が営利を求めて乱立し生存競争の真最中で、その営利体質に対