毎日新聞の「水増し請求横行か」について

 少し、私の意見を書こうと思ったら、MAXさんがすでに書いていますね。
 そこで、できるだけダブらないように私の考えも、書いてみます。

 一面に、冒頭のセンセーショナルな見出しがありました。
 横行なんてしてるのでしょうか。心配になって、1面の記事を読みましたが、複数の医療関係者が
「205円ルールを使って、実際の薬価より高い保険点数を請求している」
という証言をしている、ということが書かれていました。
 そういうことをする医療機関もあるのか、と考えさせられました。
 で、関連記事が29面に載っていましたので、熟読しました。
 ある開業医が、
「実際は安い薬を使っていても、205円ぎりぎりの薬を使ったことにして請求している。
開業医はどこもやっている。私は、検査回数の水増し請求が見つかり処分を受けた経験があるが、薬のは見つからなかった。
審査員には医師会の医師が入ってるので身内意識が強いからきちんと調べないのだろう。
レセプトは手書きで、母親が2,3日徹夜で書く。
年間、1500万円くらい利益がでる。
金券を刷ってるようなもので、うまみを感じる」
と話している内容です。

おいおい、これは『犯罪』でしょう。
詐欺罪ですよね。
以上は、7月16日の毎日新聞の朝刊です。

で、本日はどうか?
社会面に「205円以下は薬剤名自動削除」「簡素化本末転倒の声も」
という見出しで、下村健保連副会長の「簡素化を図るという趣旨に反する」というコメントを載せています。
要するに、レセプトが電算化されたので(レセプト枚数の87%)薬剤名を全部書きなさい、という趣旨の記事です。

ところで、薬剤費205円以下の場合のルールについては、MAXさんが書きましたが
http://dome.ruru.ne.jp/tomura/Recepage1.htm
にも載ってますのでご覧下さい。

で、私の感想は、
実際に、205円以下だから何を処方しても良いのか、といえば、
基金なり、保険者から、この点数の薬剤の名前を知りたいという問い合わせがきたら、ちゃんと答えなくてはならない決まりになっています。
ですから、まるっきりの野放しではないということを、きちんと記事に書くべきです。
そうでないと、勤務医や、これから開業をしようとしている医師に誤った情報を与えかねません。
へえ、そういうのが開業医の常識なの?
じゃ、やってみようか。
なんて、思う不心得者を増やすことになりかねませんよ。
今、外務省が、架空請求を行って、ニュースになっていますが、犯罪者は、どこの組織にもいますからね。
しかし、そういう犯罪者は、法によって、処罰されるわけです。
現に、16日の朝刊の記事の開業医は、以前に不正請求で処分されているわけでしょう。

少しは、まともな医師の話も聞いて、
レセプトの問題点、レセプトとは、何が書いてあるのか、
保険診療のルールとその矛盾、などを良く調査してから記事にしなくてはダメだと思います。

ま、私は、非常に腹立たしく、この毎日新聞の記事を読みました。
誰に、腹を立てたのかというと、
不正なことをさも誰もがやっていることと、犯罪意識のまるでない「40歳台の開業医」と、そのひかれものの小唄的話を、さも一般的な話として載せた毎日新聞の「医療問題取材班」にです。

ちなみに、17日の記事の横に、意見や情報をお寄せくださいと、住所とファックス番号とメールアドレスが記載されています。
メールアドレスだけ転載しておきます。
shakaibu@mainichi.co.jp