塩谷郡市医師会シンポジウム ◎「大切な命を救うために−救急医療の現状を考える−」
塩谷郡市医師会リレーコラム 養生のススメ(平成19年10月)
第5回 地域の救急医療の現状

             塩谷郡市医師会長
尾形クリニック院長 尾形直三郎(矢板市)

最近の話ですが、お年寄りが転倒して起き上がることも出来ないと救急隊に出動要請がありました。骨折が疑われたため、収容先の病院を探しましたが、塩谷地区や近隣の基幹病院では「専門医がいない」、「ベッドが満床」と断られ、結局遠くの大学病院まで搬送したそうです。このように、現在の地域の救急医療の現場は予想以上に厳しい状況で、重症患者を対象にする三次救急は別にして、数年前だったら地域の基幹病院で受け入れることが出来た脳卒中や骨折などの身近な一次、二次救急が、収容出来なくなっています。
この最大の原因は基幹病院の医師不足にあります。基幹病院では勤務医の3分の1が病院を離れ、残った医師は疲弊し救急病院としての体制が取れなくなっています。特に脳外科や整形外科、小児科は勤務医が減少し、欠員になる科も生じてしまい救急医療や入院診療に対応できない状況です。
そんな中、塩谷郡市医師会では、基幹病院の勤務医の負担を少しでも減らそうと、地域の医療機関と連携し、小児科医も含む医師会員の協力を得て昨年4月から休日夜間こども診療室(日曜祭日の午後6時半〜9時半まで)を塩谷総合病院と黒須病院にオープンしました。その存在がまだ充分に知れわたっていないのか、平均患者数は各々1日5〜6名というところです。もう少し地域の方々に利用していただきたいと思います。
現在の医師不足に代表される地域医療の荒廃は簡単には改善されそうもありません。「安心して暮らせる地域」にするには、ないものねだりでは解決しません。地域の救急医療の現状を真摯に受け止め、市民、行政、医療関係者が積極的に発言・行動して、身近な問題から解決して行く必要があるのではないでしょうか。
塩谷郡市医師会では下記の日程でシンポジウムを開催します。地域のみんなで救急医療について考えたいと思います。
ぜひご参加ください。 

塩谷郡市医師会シンポジウム  
◎「大切な命を救うために−救急医療の現状を考える−」

  • 11月17日(土)午後5時〜7時
  • 矢板市文化会館小ホール