
稲野 秀孝
栃木県医師会長の稲野秀孝です。
栃木県医師会は、栃木県内の医師により組織され、約2,300名の会員により、10の地区医師会、2つの大学医師会と連携を取りながら、県民の健康保持増進と適切な地域医療提供に寄与すべく活動しております。
これまで本会は、地域に根差した医療の推進をはじめ、救急・災害時の医療提供体制の整備、感染症への対応、学校医・産業医活動の充実等に努めてまいりました。
しかし、昨今は少子高齢化や人口減少、医療人材の不足・偏在、物価高騰への対応など、地域医療を取り巻く環境は大きな転換期を迎えています。
これに対し、2040年を見据えた新たな地域医療構想の策定が進められています。それは、地域の状況に応じた入院、外来、在宅等の医療と介護との連携、人材の確保までも視野に入れ、適切な医療体制を整備するための取り組みです。
私たちも地区医師会や県・市町の行政と連携しながら、包括的な検討を開始したところです。特に、今後需要が見込まれる高齢者救急や在宅医療、介護・福祉との連携は地域全体で協議すべき重要な課題です。
また、医療人材の確保、特に医師不足や偏在解消は喫緊の課題です。残念なことに栃木県は全国との比較で、「医師少数県」にランクされました。医師養成や研修医の段階から、多くの医師が県内の各地域に定着できるよう対策を進める必要があります。
更に、物価高騰や賃金上昇は医療界にも多大なる影響があり、現在多くの医療機関が経営に苦慮しています。病院や診療所にはそれぞれの役割があり、お互いに連携して地域医療を担っています。県民の皆様に良質で安心、安全な医療を提供するためには、各医療機関が健全で余裕ある経営状態であることが不可欠です。
これらの課題を克服し、健康寿命の延伸と生きがいある人生、より良い地域社会の達成が実現できればと思います。
私たちは県民の皆様から信頼される医師会を目指し、公平・公正で透明性の高い組織運営を心掛け、皆様が地域で安心して暮らすことができる医療提供体制の環境整備に努めてまいります。
皆様の温かいご理解とご支援を賜りますよう、宜しくお願い申し上げます。