地域連携クリティカルパス

地域連携クリティカルパス

地域連携クリティカルパスとは

地域連携クリティカルパスは、県内の限られた医療資源を有効に活用し、県民へ質の高い切れ目のない医療を提供するため、医療機関の機能分担と連携をスムーズ且つ効率的に行うツールとして平成24年度から運用を開始しております。

また、平成25年度にはそれぞれ改訂を施し、多くの医療機関で活用いただくよう努めています。

本会が作成した地域連携クリティカルパスは、脳卒中・急性心筋梗塞・糖尿病用があり、次のように活用されています。

  • 急性期病院から回復期病院を経て早期に自宅に帰れるような診療計画を作成し、治療を受ける全ての医療機関で共有して用いるものです。
  • 診療にあたる複数の医療機関が、役割分担を含め、あらかじめ診療内容を患者様に提示・説明することにより、患者様が安心して医療を受けることができるようにするものです。
  • 内容としては、施設ごとの診療内容と治療経過、最終ゴール等を診療計画として明示します。
  • 回復期病院では、患者がどのような状態で転院してくるかを把握できるため、改めて状態を観察することなく、転院早々からリハビリを開始できます。
  • これにより、医療連携体制に基づく地域完結型医療を具体的に実現します。

それぞれのパスについて

詳細は以下のタイトルをクリックしてください。

【脳卒中用】地域連携クリティカルパス

脳卒中

栃木県脳卒中医療連携クリティカルパスVer.1.3

急性期医療機関記載用
日常生活機能表
回復期医療機関記載用
患者説明用

脳卒中(循環型)

栃木県脳卒中医療介護連携手帳Ver.1.0(循環型パス)

栃木県脳卒中医療介護連携手帳Ver.1.0
記入マニュアル

急性心筋梗塞

急性心筋梗塞医療連携手帳Ver.2

糖尿病

糖尿病連携手帳(栃木県統一パス)の活用について

栃木県医師会では、日本糖尿病協会の了解を得て、同会作成の『糖尿病連携手帳』を栃木県統一の連携パスと位置付けることといたしました。

具体的な運用方法や連携パスの記載方法は「運用にあたって」をご覧いただき、出来るだけ多くの医療機関にこの連携パスのご活用をお願いします。

県統一「糖尿病医療連携クリティカルパス」の運用にあたって

1:要点

栃木県統一「糖尿病医療連携クリティカルパス」(以下「連携パス」と略)として、日本糖尿病協会編の糖尿病連携手帳(以下「連携手帳」と略)を用いる。

連携手帳の内容に従って、医療機関での診察や検査を行い、数ヶ月間先までの診察・検査の予定日を連携手帳に記載することで、連携手帳を診療計画表として活用し、患者、専門医療機関、かかりつけ医の三者が、「いつ」、「どこで」、「何を」行うかという情報を共有できるようにする。

日本糖尿病協会編の糖尿病連携手帳の詳しい説明は以下を参照。

http://www.nittokyo.or.jp/ryouyougoods_handbook.html

2:連携パスでの「専門医療機関」および「かかりつけ医」とは

栃木県では、「糖尿病の治療機能を担う医療機関」のリストを、「とちぎ医療情報ネット」にて、手挙げ方式で、以下の4つの機能別に区分して、公表している。

(1)初期・安定期の治療を行ういわゆるかかりつけ医療機関
(2)専門治療を行う入院施設を有する医療機関
(3)急性合併症の治療が可能な救急医療機関
(4)慢性合併症(網膜症、腎症、神経障害)の専門治療が可能な医療機関

この4区分のうち、連携パスでの「かかりつけ医」とは(1)の医療機関、「専門医療機関」は、(2)(3)(4)の医療機関のことを示す。

また、連携パスの「専門医」とは、学会認定専門医に加え、内分泌科や代謝科等にて十分な研修をした経験のある医師と位置づけている。

まだ、上記の医療機関リストに手挙げをしていない医療機関においても、是非、本連携パスをご活用頂きたいので、ご希望、ご質問があれば、県医師会(028-622-2655:クリティカルパス担当)までご連絡下さい。

3:全体の流れ

「かかりつけ医」は、糖尿病と初めて診断された患者や、治療を続けても血糖のコントロールが不良である患者を「専門医療機関」に紹介する。
「専門医療機関」は、糖尿病教育・合併症精査・治療方針の決定などを行う。
「専門医療機関」は、「かかりつけ医」から紹介された患者や、自施設で治療中の患者の中で、「かかりつけ医」でのコントールが可能であると判断した患者を「かかりつけ医」に紹介する。

以後、「かかりつけ医」は毎月の診察、検査、処方を行い、「専門医療機関」は、一定の間隔(数か月~1年)で栄養指導や合併症精査、糖尿病教育を行う。
「かかりつけ医」は、血糖コントロールの悪化やその他必要がある場合、決められた期日を待たずに、「専門医療機関」での診察を勧める。
医療機関で行う診察・検査は、連携手帳の内容に従い、可能な範囲で、できるだけ行う。

4:連携手帳・診療情報提供書の記載方法

※連携手帳は、協賛企業(製薬会社)が無償で配布していますので、各自でお取り寄せ下さい。

(原 則)
  • 医師の負担を減らすために、情報の記載は、他の医療者(医療秘書、看護師、栄養士、薬剤師など)にも積極的に協力してもらい、医療機関全体での支援をお願いする。
  • 連携手帳の紛失・災害での喪失の可能性も考え、医療機関で、適宜、コピーや電子化して保存するなどして、バックアップをとる。
  • 患者へ連携手帳の重要性を十分に教育し、紛失や受診時の持参忘れがないようにする。
1...「かかりつけ医」から「専門医療機関」へ初めて紹介する場合

栃木県医師会作成の「診療情報提供書(かかりつけ医→専門医療機関)」を用いる。

同様の内容が記載してあれば、各医療機関の情報提供書でも構わない。

※従来の情報提供書からの変更点

  • HbA1c(JDS値)を、HbA1c(NGSP値)に変更(2カ所)
  • 「平成25年改訂版」の文言を追加
2...「専門医療機関」から「かかりつけ医」へ初めて紹介する場合

(1)パス専用の書式は使わず、各医療機関の情報提供書を使用する。
(2)従来の「専門医療機関」から「かかりつけ医」への情報提供書に記載していた糖尿病の状態や検査結果などの情報は、連携手帳のP32-33(糖尿病教育入院)に記載する。
(3)療養指導内容を、連携手帳のP26-31(療養指導報告書)に記載する。
(4)上記と同様の内容が記載してあれば、電子カルテからのプリントアウトなどでも良いが、連携手帳に貼ることとする。

3...以後の「専門医療機関」と「かかりつけ医」の連携

(1) 情報は、連携手帳の該当するページに記載する。
(2) 診察・検査予定日を記載する(連携手帳のP14検査結果のページ)(下図)
▽専門医療機関:数ヶ月から1年後の再診予定日を上端余白に記載する。
▽かかりつけ医:検査日の欄に、専門医療機関再診までの予定日を鉛筆で記載する。

5:眼科など他の診療科・医療機関との連携

(1)診療情報提供書は、医療機関のものを用いるが、必ず、患者に連携手帳を持参してもらう。
(2)眼科、など他科の診察・検査結果は、連携手帳の「検査結果」右側のページに記載してもらう。

6:補助的閲覧手段としての「とちまるネット」活用

紙の「連携手帳」だけで連携パスの運用は可能である。

しかし、連携手帳は、紛失、持参忘れ、手帳の更新により、内容を見ることが出来なくなる可能性がある。

その場合、ネットワークを通じて、医療機関の情報を閲覧出来るシステムである「とちまるネット」は、補助的な情報閲覧手段として有用であると考えられるので、とちまるネットに参加して活用することを推奨する。

とちまるネット

http://tochimarunet.jp/

関連リンク

栃木県ホームページ、糖尿病関連情報サイト

http://www.pref.tochigi.lg.jp/e04/tounyoubyoukanrenn.html